PowerPoint上でのビデオ再生

2003年10月29日
マニュアル追加 2004年1月23日

卒論シーズンになると『PowerPointを使った研究発表で、ビデオ映像を流したい』 という相談を学生さんからよく受けます。 ただし、現時点ではPowerPoint上でのビデオの再生は、それ程簡単にはできません (と私は思ってます)し、各種トラブルの元でもあります。

特に、本学のように発表会で1台のPCを共用してスライド再生を行う場合など、 PowerPointの作成したPCと発表時のPCが異なる場合には「うまくビデオが再生されない」 といったトラブルが起こりがちです。 ビデオ再生のトラブルのためにプレゼンテーションが中断されてしまったりしては、 せっかくの発表も興醒めです。

このページでは、PowerPoint上でビデオ再生を行いたい人のために、 なるべくトラブルの少なくなる方法を紹介します。

※以下の内容は全てを実践したものではありませんので注意してください。
※発表前には実際の環境でのテストを行いましょう。
※内容に関してお気づきの点などありましたら筆者までご連絡ください。

なにはともあれ…

まずはみなさん、以下の点について検討してみてください。

  1. 限られた発表時間の中で危険を冒してまで(?)見せる必要があるビデオか?
  2. VHSやDVテープのままで、ビデオデッキから再生することはできないのか?

1番目については、ここでは特に何も言いません。 まずはじっくりと考えてみてください。

2番目についてですが、手持ちのビデオがすでにPC上にあるならともかく、今からキャプチャから始める、 といった場合には本当にその作業が必要なのかどうか考えてみてください。 会場にビデオデッキが用意してあったり、ビデオからの入力が可能な設備がある場合などは、 テープやDVカメラ等を持参した方がよっぽど確実で、しかも“楽”です。

また、経験上、発表会場によってはPCからの音声出力を受け取ってくれない場合も少なくありません (映像系はプロジェクタに出せるが、音声系はマイクしか用意していない、とか)。 ビデオデッキ等が用意されている場合には、そちらを使用した方が音声も流せる可能性が高いです。

PowerPoint上での再生に適したビデオの形式

検討の結果、それでもPowerPoint上でビデオを再生したい場合について考えてみます。

※以下、Windowsマシンを対象に話を進めます。

PowerPoint上でビデオを再生するには、PowerPointで再生可能なファイル形式のビデオを 用意する必要があります。 ただし、ビデオのファイル形式が同じ場合でも、codec(コーデック)が異なるとそれらは全く別物で、 再生できたり、できなかったりする場合があります。

見た目には同じようなAVIファイルであっても、再生できるビデオファイルと再生できないビデオファイルが あったり、全く同じファイルがPCによって再生できたりできなかったりするのは、codecの違いが 原因でしょう。

特にビデオを作成したPCとスライドショーを実行するPCが異なる場合など、 codecによるトラブルを防ぐためにも、ビデオの作成時点でなるべく標準的なファイル形式と codecを選ばなければなりません。

以下に、私が考えるところで無難な順に、ビデオファイルの作成方法を挙げてみます。

1. Windows ムービーメーカーでWMV形式のファイルを作る

Windows XPかWindows Meを使用している場合、Windows ムービーメーカー でビデオを取り込んでWindows Media Video(WMV)形式で保存するのが、最も簡単で、最も確実だと思います。 拡張子は .wmv になります。

WMV形式ならば、Windowsの標準的な環境でもcodecが搭載されている場合が多く、 ビデオを再生できる可能性が高いです。 (Windows95などでMediaPlayerをバージョンアップしていない場合などには再生できないこともあるかもしれませんが、 あまり古くない環境であれば問題は少ないと思います。)

また、ムービーメーカーなら、ビデオ編集もできて便利です。

※情報処理演習室のPCはWindows2000なので、この方法を利用することはできません。

2. Windows メディアエンコーダーでWMV形式のファイルを作る

ムービーメーカーを利用できない場合、 Windows メディアエンコーダーを使えば、WMV形式でのビデオの取り込みが可能です。 Windows98やWindows2000ならこちらがお勧めです。 無料で使用できます。

※情報処理演習室IIのPCには、Windowsメディアエンコーダがインストールされています。
※Windowsメディアエンコーダ用の簡易マニュアルを作りました。
 Word版(WME7.doc)(図がちょっときれい),  PDF版(WME7.pdf)

3. ビデオ編集ソフトなどでMPEG-1形式にする

MPEG-1は比較的古くから標準的に使われている規格で、いろんなところで再生できる可能性が高いビデオ形式の一つです。 画質もVHS程度と言われていますので、発表で使うには十分な場合が多いと思います。 MPEG-1ビデオの拡張子は mpg になります(.mpgファイルが全てMPEG-1形式というわけではありません)。

MPEG-1は、VideoCDでも使われている形式ですので、ビデオ編集ソフトなどでは「VideoCDの作成」などといった メニューになっているかもしれません。 TMPGEncなどを使えばビデオファイルをMPEG-1に変換することもできます。

※間違ってMPEG-2やMPEG-4にすると、ややこしいことになると思うので注意。

※情報処理演習室IIのPCの Adobe Premiereを使用すれば、ビデオをMPEG-1形式のファイルに出力できます。

4. AVI形式のビデオ

AVI形式はビデオ編集ソフトなどでは一般的に使われていますが、実際には多くのビデオファイル形式と codecが存在し、データの互換性を考えるとちょっとやっかいかもしれません。

もし、どうしてもAVIファイルにしかできない場合、

を使うとよいと思います。

5. PowerPoint上での再生をあきらめる

「すでにQuickTime形式のビデオがある」、「RealMedia(RealPlayer用)のビデオがある」などという場合には、 すなおにPowerPoint上での再生をあきらめましょう。

「あきらめる」と言っても、PC上でのビデオ再生をあきらめるわけではありません。 PowerPointではなくて、QuickTime PlayerやReal Playerなど、専用のプレーヤーを使ったビデオ再生を行うのです。 専用プレーヤーならば、PCが変わっても(インストールさえされていれば)トラブルが起きる可能性が小さくなります。

“ハイパーリンク”を使えば、画面の切り替えもクリック一つで可能です。 QuickTime ムービーを挿入できない場合の対処方法などのページを参考にしてください。

ファイルに対するハイパーリンクは、PowerPointファイルを別のパソコンに動かすとほとんど無効になってしまう と思うので、ファイルを移動後は必ずリンク状況を確認してください。

補足

挿入したメディア クリップを再生することができない場合の対処方法 というページもありました。どうしてもうまくいかない場合などに参考にしてください。

最後に

私の師匠の格言をば。

「中身がない発表ほど、見た目にこだわる」